ビスの芸術散歩

心に残ったドラマ、映画、劇などを綴ります。

ラストフレンズ

フジテレビの連続ドラマ、ラストフレンズ。

放送当時、私は小学生だった。

ドラマの大ヒットを感じつつも、内容への深い理解が難しいため、観てはいなかった。

 

それから10年以上が経ち、ふとどんなドラマだったのだろうと気になり、先ほどを見終えた。

 

このドラマは、婚約者からの暴力に傷つくみちる、自身がレズビアンであることを誰にも打ち明けられずに苦しむルカ、姉からの性的虐待を受け恐怖症を持つタケルが、互いに支え合い、傷付き合いながらも、もがくストーリーだ。

 

今でこそ、LGBTという言葉も世にまかり通り、大手海外企業の多くがLGBTのサポートを公言するほど、世の中への認知が広がった。

 

しかし、ドラマ放送当時では、まだまだ受け入れられなかった時代だったのではないだろうか。

 

 

そんな時代に、このドラマでは家庭内暴力に加え、レズビアン、さらにセックス恐怖症など、様々な観点から人の心の奥にある傷を描き切っている。

 

人に見せたくない、だけど一人で背負うにはあまりにも重いため、誰かに打ち明けたくて、理解されたくてたまらない。

 

そんな心の叫びが感じられ、胸が締め付けられるドラマだった。

 

さらに、世間からいわゆる「特殊」と思われる彼らだけでなく、相手の不倫によって傷を受けた男性、好きな人が自分と恋人になってくれない女性など、誰にでも当てはまるような人物も登場している。

そのため、多くの人が自分ごとのように物語に入り込んでいけるドラマとなっている。

 

私はラストフレンズを観て、

「放送当時よりも、現在の方がより多くの人が共感できるのはないだろうか。」と感じた。

 

なぜなら、今でこそTwitterで自身の性や性生活、性的趣向などかなり個人的なことが多く書かれており、他人の心の傷に触れる機会が多いからだ。

 

Twitterをはじめとする匿名で書き込めるSNSが発達した今、人は知り合いには打ち明けれない心の傷を人に話し、自分の心を軽くすることができる。

さらに、受け取り側も、こんな事例があるのかと、他人に対し想像力を持てるようになる。

 

そんな体験が多くされている現代に、もう一度ラストフレンズを放送したら、より大きな成功をつかむのはないかと感じた。

 

別の言い方をすると、10年以上も前にこの脚本を書いた浅野妙子さんの着眼点は本当に素晴らしいと思った。

自身も、少し小説を書いてみようと思います。

 

放送から10年以上経った今、ラストフレンズは放送当時よりもさらに多くの人々の心に濃く、深く残り、共感を得るドラマになっていると感じた。