ビスの芸術散歩

心に残ったドラマ、映画、劇などを綴ります。

アデル、ブルーは熱い色

& premiumの映画特集雑誌を購入した。

 

そこに、観たいと思っていた映画が散りばめまれていたが、

その一つに『アデル、ブルーは熱い色』があった。

 

Netflixのチェックリストに永遠と眠っている作品。

 

ロスアンゼルスから帰国した次の日に、自宅にて鑑賞を始めると、

以前途中まで観たことがあることを思い出した。

 

おそらく、飛行機かどこかで観たのだが、過激なシーンを家族に観られるとまずいと思い、

途中で鑑賞を中断したように思う。

 

この作品は、日常が切り取られていて、

「映画」感や俳優たちの「演技」感が全くない。

 

私と同じように呼吸して生きている人々の人生の一部を切り取ったような映画だった。

 

私はリアリティーのある映画が好みなので、非常に好きな作風だった。

 

日常を切り取ったように見えるのは、

俳優たちの飾りのないナチュラルな演技はもちろん、

食事シーンで口元を大きくカットしたり、セックスシーンにて人の姿をありのままに撮影しているところ、肌を質感まで細かく写すなどの撮影方法、

また主人公のスタイルや格好、メイク、ヘアメイクなどが飾り気のない点にあると感じた。

 

太陽の光をバックにあるキスシーンや、公園にて寝そべるシーンなどの映像として魅せる場面と、

食事など日常的な部分を描く場面にて切り替えがされていて、自然と入り込むことができた。

 

フランス映画の醍醐味は、この日常的な場面と映画的な場面が共存している点だと思う。

改めて、自身がフランス映画を好きな理由を感じた映画であった。