ビスの芸術散歩

心に残ったドラマ、映画、劇などを綴ります。

やんごとなき雑談(中村倫也著)

最近、と言っても二冊だけだが、著名人のエッセーにハマっている。

 

彼らがテレビで見せる姿とは違う、心の中を覗けるからだ。

人間らしい考え、感情、彼らの全てが愛おしく感じられる。

 

その中でも、中村倫也の『やんごとなき雑談』は、甘いラテのように私の心をほぐしてくれた。

 

このエッセーでは、彼のほのぼのとした生活や考えから、彼の少しダークな部分まで惜しげ無く、たっぷりと心の中を覗き込める。

 

読みながらクスクスと思わず笑ってしまうほど、彼のチャーミングな魅力が文章からにじみ出ている。もちろん裏表紙や中表紙にも。

 

こんな風に、日常の中から小さな笑いや幸福を人に与えられる人っていいな〜と感じた。いわゆる「遊び心のある人間」だ。

私はそんな人間に該当しない。

 

しかし、このエッセーを読む中で、どうやら彼は努力で言葉を紡いでいることを知った。

さらに、相手が欲しがっていそうな言葉を発しては、相手に好かれたいと願う自意識に対して疲弊するときもあるそうだ。

この本を読むまで想像もつかなかった。

 

自分とは真逆のタイプだ。

 

私は、いつでも自分の思ったことを正直にいうので、相手の要望に合わせて発言をすることはほぼない。

また、日常をよく観察するタイプではないので、いつも大枠でバッサリと切り取っている。小さな変化などにそもそも気づかないのだ。

 

遊び心があるタイプと、ないタイプで、人間は分けられると思っていたが、

もしかしてみんな努力で遊び心を手に言いれているのかもしれない。

驚きだ。

 

 自分も、彼のように提供する側に立ってみたいな、と感じた。

まずは、多くのものに触れて、自分の感性を磨いていこう。

 

中村倫也の甘〜い声、感性で癒されたい人は、ぜひ読んでいただきたい。